2011年10月13日

スラムダンク一億冊キャンペーンの作り方

スラムダンク一億冊キャンペーンの作り方

「スラムダンク」という大ヒット漫画はほとんどの方がご存じだと思います。

著者の井上雄彦さんが単行本で31巻、
6年の月日を費やして描いたバスケットボール漫画です。

連載が終わってからも、
単行本はじわじわと売れ続け2004年7月に累計1億冊に達しました。

井上さんは、
「読者の方にありがとうの気持ちを伝えたい」
感謝の気持ちが湧きおこり、個人広告を思いたちます。

そこで広告代理店のメンバーが8人加わり
井上さんを含めた9名で、読者にどうやって
「ありがとう」を伝えるのかを深く考えたそうです。

スラムダンク読者が一番喜ぶことは何か?

当時終了していたスラムダンクの世界に
井上さんがスラムダンク作者として戻り
スラムダンクのその後を描くこと・・・

そして、スラムダンクを愛している人達だけが
集まれる場を作ることを思いたちます。


ここで面白いと思うのが
コミュニケーションのターゲットを
「スラムダンクを愛する読者」
限定してしまったことです。

告知方法は彼らにだけ伝わる方法。
「彼らにだけ伝わればそれでよし」
そこからメディア・ミックスの方法が組み立てていかれる訳です。

まずは新聞広告がはじまり

新聞各6誌、片面ページすべてを使った、
井上さん直筆の「湘北メンバー」が描かれたスラムダンク新聞広告

そして控えめなホームページのURL。
ここが「スラムダンクを愛する読者」を誘う次へのアプローチです。

多分、スラムダンクに興味が無い人には意味がわからないでしょう。
めちゃめちゃ閉じた新聞広告の使い方です。


読者の声が集まるホームページ

井上さんは読者が集まれる場所をWEB上に作ります。
ただ、このWEBサイトも普通のサイトみたいに
訪れた人たちを導くようなサイトではなく
いきなりメッセージを求めてきます。

でもこれって、スラムダンクの試合会場を見る為の
チケットみたいなもので、書き込みが終わると
「書き込んだ本人」が観覧席に登場する仕組みになっています。

自分のコメントも見れるし、
自分と同じような他のファンのメッセージも見れる訳です。

観客になり主人公たちを応援できるファンにはたまらない
疑似体験ができるサイトになっている訳です。

そして、最後に「本当にファンが集う場」をサイトで
予告編のようにさりげなく告知します


廃校の黒板を使った伝説のイベント

ここが1億冊感謝
「読者の方にありがとうの気持ちを伝えたい」
のゴールになります。

この時のスラムダンクの多くの読者が、
社会人に成長しているということもあり
スラムダンクで表現されていた「学校」の匂いも伝えたいということで
廃校の黒板を使い、漫画掲載終了後の主人公を描きました。

井上さんがスラムダンクの作者に戻り、
読者がスラムダンクの読者に戻れる場所が出来上がりました。


あの有名な、スラムダンク・あれから10日後です。
二日間で約5,000人が集まったこのイベント。
当初は100人ぐらい集まればいいだろう位の予想だったそうですが・・・
ファンはスラムダンクの読者に戻れる場所を願っていたのだと思います。


もちろんこんなやり方、スラムダンクという化け物コンテンツがあってこそ
こういう戦略が成り立つのですが・・・

でも、この事例は
メディアを組み合わせた、消費者とのやり取りは
「広く伝えること」だけでなく「深く伝えること」も
大切であることを教えてくれます。

ここにメディアを使ったPR戦略やSNSの活用のヒントが隠れています。

伝えたいことは何か?
相手を巻き込み参加してもらうことの大切さが
よくわかるキャンペーン例だと思います。

興味が湧いた方や詳しいことをもっと知りたい方は
下記に紹介ている佐藤 尚之さんの本を読んでみてください。
このほかにもたくさんの事例を元に
コミュニケーションの考え方が紹介されています。

「あれから10日後」のさらにその後・・・
またいつか桜木花道に会える日がくるといいなぁ。


  


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Posted by 図案屋  at 16:00 │Comments(0)プロモーション

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