2011年10月19日

イベントをする上で学んだ5つのこと

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EDGEfest 21 Event Pics
EDGEfest 21 Event Pics / @giovanni


さあ、イベントをやろう!
と意気込んではみたものの、どこから手をつけるのか?と
頭を悩ました経験はありませんか?

僕は今まで、様々なイベントに数多く携わってきましたが
成功もあれば失敗もありました。

失敗が多かったかな(苦笑)

イベントの教科書みたいなモノって無かったので
(いい本ご存知の方がいらっしゃったらご紹介下さい)
イベントの経験者の方に話を聞きに行ったり
試行錯誤しながらたくさんのことを独学で学んできました。

その期間、約10年ほどですが、
ようやく自分なりのやり方が形を呈してきた感じです。

今まで、整理する機会が無かったのですが
最近、イベント運営・計画などについて
よく相談も良く受けるようになってきたので
一度、ブログ上で整理してみようと思い
学んできたことを、5つのテーマに分けご紹介したいと思います。

とりわけ新しいモノは無いですが
イベントを考える上での整理材料にはなると思います。

これからイベントを実施される方や
ご担当をされている方のお役に立てればうれしいです。


【1】イベントには達成目標が必要である
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Runners set records in 25th Army Ten-Miler 091005
Runners set records in 25th Army Ten-Miler 091005 / familymwr


イベント運営にはたくさんの関係者に関わっていただきます。
関係者の協力が得られないと運営が上手く機能しません。

その為には正しいゴール設定が必要です。
目指すべきゴールがあると、
達成する為には自分達は何に貢献しなければいけないのか?

参加する関係者個人も役割を意識しやすくなり
参加意識を高める効果があります。

また達成ゴールは
「目標が達成されると自分達の動機も満たされる」
など各参加者・団体などの参加動機を満たす
上位概念が望ましく共感を呼びやすいです。

イベント成功に向けて
従うべきはイベント主催者ではなく「達成目標」という
方向性を示せれば協力も得られやすくなります。

僕が考える正しいゴールとは、
関係者が共感でき、シンプルで理解しやすい主旨、
達成可能な実績にちょいと背伸びしたモノ、

この3つを満たしたものです。

また、この基本的な目的がしっかり考えられていると
人に伝わりやすい情報になりますので、
この後の出てくる、情宣・PR活動における
伝えるべき内容が整理しやすくなります。

■参考記事
なぜを整理すると価値が生まれる


【2】イベントのスタイルを決める
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✌ peace ✌ mšvidoba ✌ мир ✌ שָׁלוֹם ✌ سلا
✌ peace ✌ mšvidoba ✌ мир ✌ שָׁלוֹם ✌ سلا / bitzi ☂ ion-bogdan dumitrescu


どんなゴールを目指すのか?
これによってイベントの中身が変わってきます。
様々なイベントのタイプがありますが
大体下記の4つのタイプに分けて考えます。

集客イベント

【実施に向けての考え方】
・イベント会場にいかに足を運んでもらうかを考える
・来場者がイベント会場に足を運んだときのメリットは何か?
・提供するイベント内容に対し、どんな人たちをどれくらい集めたいのか?
・提供するイベント内容に対し、どんな時期が集まりやすいのか?
・提供するイベント内容に対し、どんな会場が有効なのか?
・集客の目的は何か?売上か?販売促進か?アンケート収集か?

【考えられる施策】
・来場者に対しての無料プレゼント
・戦略商品の販売(利幅は少ないが人を集める力を持つ商品)
・その時期にしか触れるものができないモノを提供する
・その場所にしか存在しないもを提供する
・イベントを話題性のある情報へ変換し効果的な情宣活動を行う

来場者数の目標が高ければ高いほど規模は大きくなるケースが多いです。
規模が大きいほど時期の設定が大切になってきます。

例えば、田舎のイベントを正月に実施しても集客は見込めませんが
大都市・商業施設の初売りイベントであるなら集客を見込めます。

また、秋などはイベントシーズンではありますが、
地域行事や学校行事も多いです。

そんな場合、集客ターゲットよっては、
魅力的な内容であっても集まりにくい場合があります。

そういう意味でも
集客イベントの時期設定は規模に応じて慎重に行う必要があります。



滞在時間を延ばすためのイベント

【実施に向けての考え方】
・来場客が満足し長居できる仕掛けを作る。
・商業施設では客単価のアップにつながる。
・消費行動に合わせイベント実施時間をコントロールする。
・消費行動に合わせた、来場客が動きやすい動線設計を行う

【考えられる施策】
・イベント会場で時間をずらした販促例
10:00 レジャーミニイベント(身体を動かすなど空腹感を誘う)
12:00 ランチタイム(会場内の飲食施設へ誘引)
13:00 当日のメインイベント(来場者の満足度をあげる)
15:00 おやつ・喫茶TIME(会場内の飲食施設の誘因)
16:00 タイムセールス(夕食やお土産などのセールスタイム) 

上記のタイムラインは一例ですが
時間と場所と消費行動を同線で結ぶと
確実に20%~30%は滞在時間があがります。

(あくまで僕の経験則です)

その為にも、来場者に分かるような会場チラシや掲示板
そして何よりイベントスタッフの声がけによる告知が必要です。
(MACのお飲み物はいかがですか?と同じ原理です)

また、消費行動の時間帯では
10:00~15:00までは家計で言うとレジャー費ですが
16:00~消費する分は食費にカウントされることが多い。

この部分は奥さんから指南を受けたのですが
特に主婦はレジャーに出かけた時は
タイムセールなどの夕飯材料には目が向くものと教えられ、
試してみたのですが結構売上が上がりました。

消費者のニーズは固定してません。
時間や消費行動に伴い流動的です。



リピーターを増やすためのイベント

【実施に向けての考え方】
・人気が高かったイベントを定例化する。
・リピーター・ファン向けだけの招待型のイベント。
・一般客とは差別化しプレミアム感を演出するイベント。
・イベントに参加するたびにお得感を感じる仕掛け

【考えられる施策】
・POINT制などなどを導入し収集感とお得感を高める。
・来場者の名簿化を行いDM・メールなどで告知をマメに行う
・好評なイベントは同じ時期に開催し来場者の認知度を深める
・来場者同士の交流を深め、イベントがジョイントの役割を果たす仕組化

大きく分けて3つのイベントに分類しましたが
実際はこの3つを組み合わせて行うケースが多いと思います。

当初に立てた目標を達せする為にはどんなイベントスタイルを選び
その為には何に着目しイベント内容を決めていくのか?

ここではそれぞれのイベントについて、
考え方をピックアップしてますので
イベントの中身を考える参考になればうれしく思います。



【3】イベントをいかに知ってもらうか?
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iPhone - In Hand
iPhone - In Hand / William Hook


イベントの告知と言えば、
真っ先にTVと答えそうですがそうじゃなかったりします。

誰にイベント情報を届けるか?
イベントのテーマを誰が支持してくれるのか

という考え方が大切になってきます。

例えばペット愛好家向けのイベントについて考えてみましょう。
愛好家へのコンタクトポイントは何か?
という問いを立て接点を考えてみます。

ニュートラルに考えると
ペットショップでの告知が接点の濃度は高いでしょう。

そう考えれば、広告費を使って媒体を使うより
ペットショップの利用者に
ノベルティーやプレゼントを用意したりする方が
集客効果は高いかもしれません。

誰に向けてのイベントなのか?
情宣においてはココ大切なポイントです。



【4】関係者にいかに動いてもらうか?
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Doris Leuthard and Klaus Schwab - World Economic Forum Annual Meeting Davos 2010
Doris Leuthard and Klaus Schwab - World Economic Forum Annual Meeting Davos 2010 / World Economic Forum


計画段階で大切なこと

計画段階から実施段階に移ったら、これかなり重要です。
準備段階から、実施段階では様々な人が動きます。

関係者と情報の共有が上手く出来ていない事が原因で
気が付いたら、対応で自分ばかりが動いてしまう。

思いだしただけでも冷や汗が出ますが、
残念ながらよく経験しました。

それを避けるためには、この記事で最初に書いた、
共通のゴールを設定し、達成のために皆が協力する
雰囲気と状況を作りだすことです。

まずは計画の段階で目標と思いを共有することが大切ですがですが
その為には、当初の計画は完成度が完璧である必要がないと思っています。

「完成度を100%で無ければいけないだろう?」
と思われる人が多いともいますが
僕は70%~80%ぐらいの出来でいいと思っています。

それよりも、残りの20%~30%は
他の関係者の意見を取り入れた方がいいです。


完璧な計画書は起案者のモノ感が強く、
他の参加者が愛着を感じにくい要素が強いと思います。

イベントを主催者だけのモノから関係者のみんなのモノに
できるか否かで運営がスムーズにいくかいかないかが決まります。

みんなの意見が活かされるから、愛着が生まれてきます。
イベント運営はパワーが要求されます。
必要なエネルギーはやはりモチベーションです。



イベント関係者向けの情報共有シートがあること

イベント資料でワープロソフトで作った
要約文みたいなのを良く目にしますが、あまりオススメしません。

僕は試行錯誤の結果下記の3パターンのフォーマットを使ってます
【計画用】 イベントの主旨・実施日・内容・簡単な実施工程
【準備用】 実施向けての準備品・準備作業のチェックリスト
【当日用】 イベント実施・撤去のタイムラインと現場MAP

持ち運びが容易なように各フォーマットはA4一枚に収めるようにしています

継続して同じフォーマットを使っていると関係者も慣れてきてくれて
情報の共有もスムーズに働き、連絡・伝達も楽になります。
もちろん関係者の意見を取り入れフォームも進化させていきます。


■参考記事
解けない問題を解けるカタチへ


【5】イベント実績を記録すること
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Calendar Card - February
Calendar Card - February / Joe Lanman


イベント単発の記録だけでなく、来年の為にも
1年間を通したイベント実績を記録しましょう

年間を通して人の動きが解ってきます。
つまりイベントを打つ適切な時期がよくわかってきますし
季節に応じたイベントアイディアが湧きやすくなります。

これをやっていると春来たお客様を
秋にどう呼び戻すかなどのいイメージが湧いてきます。

春のイベントの終わり方を
秋につながるような終わり方にすればいいのか?
そういう発想体質になっていきます。

日・曜・天気・来場者・売上・オケージョン・全国的な行事
近隣でのイベント・競合先のイベント・マスコミの露出時期など
全てを記録していきます。

数値化できる部分は数値化し
年間のお客さまの動向を月別の変動比率を月別に出し
売り上げやホームページのアクセス数と比べます。

集まりが悪かった要因が
天候なのか、イベントの内容なのか、時期の設定が悪かったのかなど
記録をしていくといろんなことに気づいていきます。


店舗や集客施設なら毎日つけることをオススメします。
次年度の営業目標も立てやすくなりますよ。

記録をすることで
お客様の見えない声を集めましょう。



最後に・・・
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Utilisation Of Slipway At Own Risk
Utilisation Of Slipway At Own Risk / schoschie


どんなに準備しても予定通りにはいかないことが必ず起きます。
必ずリスクに対いしての準備も忘れずに。特に天候と安全管理。




まだまだ書き足りない部分があったのですが
細部に関してはまたの機会に少しづつご紹介していきたいと持っています。

疑問点や質問などがありましたらお気軽にお問い合わせください。
具体的なご質問がご希望の方は
画面右下のオーナーメッセージにメール下さい。
イベントに関する運営・計画など
自分の経験をもとに、お答えできる範囲でお返事させていただきます。



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今後ともよろしくお願い致します


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Posted by 図案屋  at 23:10 │Comments(0)企画・プレゼン

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