2011年10月27日

そもそもセルフ・ブランディングってなんですか?

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Focus
Focus / dkalo



セルフ・ブランディングという言葉が「よのなか」に溢れています。

就職活動。blogやtwitter・facebookなどのソーシャルメディア。
よく、こういった類にくっついているケースを多く目にします。

ただ、よく耳を傾け考えると、
アピールとブランディングの意味が混同して使われてような気がして
いまいち僕の中でスッキリしません。


セルフブランディングとは何か?
今回は、そのことについて図案屋流に整理したいと思います。


1)まずはブランドの意味を整理
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ブランドについて調べると
マーケティングの本やネット上でも
ブランド論の考え方がたくさんありました。

どれも概念的な説明が多く、僕には難解な部分もあって
とりあえず、消費者・商品・企業の関係を図案化しちゃいました。



関係性を整理しながら気づいたんですけど
ブランドって企業だけが頑張って、つくるモノでは無いんですね。

この図を眺めながら、
アメリカのコンバース社の社長さんが100周年を迎えた時のコメント
「もはやコンバースは我々の手を離れ消費者のモノになった」
を思い出しました。

100年にわたるユーザーの支持があったからこそ
コンバースブランドは守られてきた訳ですね。


2) ブランディングと言う活動
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ブランドを成立させるための関係は
一方通行では成りたないことが理解できました。

双方からバランスのいい働きかけが無いと
ブランドは成立できません。


では個人の場合はどうでしょうか?
自分が持つ実力と世間の評価の関係で考え整理してみました。

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ブランド力が働いている状態

・社会と自分の実力にギャップが無く価値を生み出せる関係。
・社会に求められたことに対して、自分の実力を十分に発揮できる状態。
・注意すべき点は、自分のサイズを超えた活動に走らないよう注意する。
・目指すべきは、自分の質を高め信頼のパイプを深めていくこと。
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力を発揮することができない場合
・自分の実力に対して信用・信頼が低い状態
・社会から実力に応じた評価が受けられていない。
・目指すべき点は、自分の実力が発揮できる環境を作ること
・実力を伝える為に名刺代わりになる仕事・実績作りが大事
・注意すべき点は、実績が出る前にアピールに走ること。
 逆に信用を落とす可能性がある。
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実力が伴っていない場合
・自分の実力以上の評価を受け、勢いがある状態。ブームはやがて去る。
・評価に対して実力が不足した場合、信頼度が下がる
・注意すべき点は自分の能力を超えた仕事を引き受けないこと。
・目指すべき点は、手を広げすぎず実績を積み上げていくこと。
・評価はある意味チャンスでもあるから、評価に引き上げてもらい地力を磨く
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こうして整理を終えてみると、実績や成果があってはじめて
評価がついてくることがわかります。

ブランディングと言うのは活動する事よって生まれくるもので
決して、アピールだけでは生まれることはありません。


3) 最後に・・・
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Magic Mirror Eye
Magic Mirror Eye / jurvetson


自分をよく見せる手法に走りすぎないようにしましょう。

自分をよく見せる行為に偏っては
持続性のある評価は生まれてきません。

自分の仕事や能力を持って取り組んだ活動を情報化し広く伝えていくこと。
これがセルフブランディングの大切なポイントだと思います。

それらをふまえて、またの機会に
セルフ・ブランディングの効果的な手法を考えたいと思います。


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Posted by 図案屋  at 23:25Comments(0)そもそも何ですか?

2011年10月20日

そもそもツーリズムってなんですか?

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trip to Mt Fuji
trip to Mt Fuji / diloz



観光業界には現在、様々な方たちが仕掛け人がいます。

旅行会社さんやじゃらんさんなどの企画系
JRさんやバス会社みたいな運ぶ系
地方の自治体さんや観光地などのご当地系
などなど・・・

そんな中、最近いろんなツーリズムなるモノが生まれていますね。
どんなもんだろうとネットで調べましたが、いっぱいでてきました。

エコツーリズム、エスニックツーリズム、グリーンツーリズム、
クルーズツーリズム、アニメツーリズム、産業ツーリズム、
サスティナブルツーリズム、スポーツツーリズム、
ソーシャルツーリズム、体験型ツーリズム、
ネイチャーツーリズム、ハードツーリズム、バリアフリーツーリズム、
フィルムツーリズム、ブルーツーリズム、ヘルスツーリズム、
メディカルツーリズム、ルーラルツーリズム、歴史文化ツーリズム。
それに、修学旅行に帰省旅行もそうかな?


あまりの多さにちょっと驚き、
「そもそも観光ってなんなのよ?」
僕のそもそも病がまた始まりました。

いろいろ調べてみたのですが、「巡礼」という行為がその原型のようです。
日本では、西国三十三箇所、四国八十八箇所巡礼、
ヨーロッパでは、キリストの聖杯・聖遺物や
修道院への巡礼が盛んに行われ
今も尚、そのニーズは無くならずに今も受け継がれています。

日本の巡礼のメッカ、伊勢神宮などの大寺社では
御師(おんし)と呼ばれる人達がいて
社寺へ参詣者を案内し、参拝・宿泊などの世話をする
サービスを行っていたそうです。
これって今の旅行代理店さんそのものですね。

それらが大衆化し、観光・ツーリズムの原型になったようです。

「巡礼」の行為は自分の住処から離れ、
非日常に身を置き自分自身を見つめ直す。
旅の原点は心を満たすことなのかもしれません。

その心の満たし方が、最近変わってきたように感じます。

娯楽性の高い従来の観光内容では
人は動かないようになってきているのでは思います。

一昔前は、消費目的を動機とするツーリズム多く存在し
産直品を食べる為に産地へ行く必要がありました。

しかし、産直の食べ物を運ぶ物流技術が進歩し
時間をかけず冷凍技術を使って世界中の食べモノが
生活拠点でも手に入るようになりました。

温泉でさえスーパー銭湯の出現で
「広々とした湯船や露天などで湯に浸り疲れを取る」
という優位性を奪われつつあります。

とにかく消費者にとって
心を満たすための選択肢が多すぎるのだと思います。
娯楽性で心を満たす手法はあまり響かなくなってきています。

消費者がお金を観光地で落とすという
ビジネスモデルが機能しない地方が増えてきているのは
そういう背景があるのではと思っています。

そこで都会に無い田舎を売りだそうと
グリーンツーリズムが叫ばれ始めます。

ただ観光の為の農業ではありません。
僕は、観光と農業は全く別物だと思っています。

農村は産地であって、着地型の観光地ではありません。
消費者がお金を産地で落とすというビジネスモデルは
日本ではなかなか根付かないと思います。

都市と田舎の交流については推進して欲しいと思っています。
でもそれが観光志向のツーリズムモデルかというと
それに対しては懐疑的です。

本業のホテルさんや旅館さんでさえ経営に苦労されています。
おもてなしのスタイルはそんな容易なモノではありません。

僕も宿泊業の経験があるのですが
農業を片手間にできるとは思いません。
ましてや農家の方は農繁期だけでなく地域行事も多いです。
時間の捻出も難しいでしょう。

農村は都会の人たちの憩いの場でありません。
ビジターの旅の動機が「都会の生活の癒し」ならば
農村は継続的に受けることはできないと思います。
農村は農村で忙しいのです。

でも、都市と農村の交流は必要だと思います。
癒しをを求めるのではなく産地の現場を知ることは
消費者にとっても必要です。

今、僕は交流体験に携わっていますが
農業の大切さを参加者が理解すると
農家の人はモチベーションが上がります。
参加者も産地に訪れるにつれ愛着が生まれてきます。


収益だけを目指すのではなく僕はこれはありだなと思っています。

そんな、「応援すること」は旅の動機になるのかな?
そんなモデルがないのか考えてみました。

ありました・・・それはスポーツ観戦でした。
サガントスやソフトバンクを応援する為にチケットを買い
スタジアムに足を運び応援し勝利を共に喜ぶものです。
モノを買うのではコトを成すことを応援する。

僕はここにヒントがあるような気がします。

USA v Algeria World Cup Match
USA v Algeria World Cup Match / jasonwhat


農家の方に、美味しいお米や野菜などをつくうてもらう為に
サガントスやソフトバンクを応援するように
農家さんを応援するのです。


僕たちは野菜は作れないけど野菜作りを応援してますみたいな。
田舎はスタジアムで生産者はアスリートになるのでしょうか?

いい野菜やいい米作りができるように
消費者はサポーターとなって農家を応援します。
おもてなしをしてもらうビジターではありません。

頑張っている農家さんを訪ね
その野菜作りや米作りに触れ応援するツアー。
そんな仕組みのツアーができないかなと考えています。

今までは、「食」だったり「観光素材」を求めて
現地へ足を運んでいた訳ですが
そうではなくて作り手さんに会いにいく。

これは生産者に限らず、モノ作りの職人さんも
ありのような気がします。

おもてなしを受けに行くのではなく
作り手を応援に行くツアーです。

産地での格闘ぶりに触れながら
感動のおすそ分けをもらいながら野菜や米を食べる。

このツアーの名前は「産地巡礼」なんてどうかな?
と考えちゃいました。



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Posted by 図案屋  at 18:00Comments(0)そもそも何ですか?

2011年10月14日

そもそも地域活性化ってなんですか?

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Radiohead - Main Square Festival Juillet 2008
Radiohead - Main Square Festival Juillet 2008 / Nicolas Lœuillet



現在僕は、中山間地のある町に関わる仕事をメインに行っています。
にもかかわらず、地域活性化という「耳触りのいい言葉」に疑問を持っています。

「地域を活性化する」っていう
スローガンに流されているぞ!って気がしてます。


そもそも地域活性化ってなんでしょうか?

地域を活性化することっていうのは抽象的すぎて、
どんな状態を指すのか解らないので
具体的に教えて下さいと、さらに質問を重ねていきます。
すると、大体下記に記述したコメントが返ってきます。

人がたくさん来る観光関係者はそう思っても住民は思っていない。

特産品を開発する作ればいいというものではない

イベントを行う自治体の補助金が打ち切られればおしまい

集客施設を作る施設のことを考えるが運営の事まで考えない

田舎の良さをPR田舎が溢れすぎてもはや差別化は難しい

観光やグリーンツーリズムを強化そもそも農業と観光は別モノ


僕は今の仕事を通じて
「地域」と「地元」って違うんじゃない?
って思うようになりました。

「地域」って他人目線のような気がします。
住んでる人は「地元」っていいます。

「地域」と呼ぶ人は、当事者ではないので、
よその成功例と比較して評論で終わってしまう。

また「都会」の嗜好に寄り添いすぎて
(都会の人が考えている田舎暮らしみたいな)
住んでいる人たちの暮らしを考えていないなぁ・・・
と最近は特に考えるようになりました。

「地域」って言葉は逆にギャップを生み
噛み合わない現実を生みだすような気がしています。
結局、地元に根付かないんですね。

また、「活性化」ってどんな状態を指すのか
なんかよくわかんないです。

地域に元気がない。活気が無い。
確かに後継者不足の問題などもあるけれど
町に住んでいる人たちの暮らしぶりが不幸なのか?
と、いうとそうじゃないんですね。

それこそ僕は活動拠点と違う町に住んでいますが
僕の町に無いいいものや文化があったりする。
つまり全然元気が無いことも無いんですね。

それを無理やり、「地域の魅力」を情報発信して
効果があるのか疑問です。

魅力は発信するモノでは無くて感じてもらうもの。
つまり受け手側が使う言葉であって
情報を発する側が使う言葉では無いと思っています。

魅力を感じてもらう町とはどんな町なのか?
「こんな町が日本にあってよかった」
感じてもらえる「なにか」がある町なのだと思います。

魅力の発信ではなくて
困った時にはこんな役に立つ町。
こんな時につかえる町。

「この町が日本にあってよかった」

その評価をもっとよくしようというモチベーションが湧いてきます。
他人に評価され支持をされると、人は自分の存在に誇りが持てます。
それがやがて自分達が暮らす町が
こんな町であって欲しいという思いにつながっていくと思います。

であるならば、自分の町にある
「この町が日本にあってよかった」
というものを探し磨くことが大切だと思います。

町の何を伝えるべきなのかが変わってくるし
町の伝え方も変わってくると思います。
そうすると発信される情報にも深みが出てきます。

そこから息の長い交流が生まれてくるのだと思います。

そういう関係で捉えるなら、交流相手は
ビジネスでいう、消費者・ターゲットという言葉ではなく
パートナーと言う表現が適しているのかもしれません。

町とパートナーの間をつなぐモノ。

話題性よりも継続性があること。
そして、参加者にとって
事業と誇りやモチベーションがバランス良く両輪するモノ。

そんなつながっていくイベント作りに挑戦していきたいです。

ST014: Figure 5.6
ST014: Figure 5.6 / Rosenfeld Media


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Posted by 図案屋  at 16:00Comments(6)そもそも何ですか?


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