2011年10月14日

そもそも地域活性化ってなんですか?

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Radiohead - Main Square Festival Juillet 2008
Radiohead - Main Square Festival Juillet 2008 / Nicolas Lœuillet



現在僕は、中山間地のある町に関わる仕事をメインに行っています。
にもかかわらず、地域活性化という「耳触りのいい言葉」に疑問を持っています。

「地域を活性化する」っていう
スローガンに流されているぞ!って気がしてます。


そもそも地域活性化ってなんでしょうか?

地域を活性化することっていうのは抽象的すぎて、
どんな状態を指すのか解らないので
具体的に教えて下さいと、さらに質問を重ねていきます。
すると、大体下記に記述したコメントが返ってきます。

人がたくさん来る観光関係者はそう思っても住民は思っていない。

特産品を開発する作ればいいというものではない

イベントを行う自治体の補助金が打ち切られればおしまい

集客施設を作る施設のことを考えるが運営の事まで考えない

田舎の良さをPR田舎が溢れすぎてもはや差別化は難しい

観光やグリーンツーリズムを強化そもそも農業と観光は別モノ


僕は今の仕事を通じて
「地域」と「地元」って違うんじゃない?
って思うようになりました。

「地域」って他人目線のような気がします。
住んでる人は「地元」っていいます。

「地域」と呼ぶ人は、当事者ではないので、
よその成功例と比較して評論で終わってしまう。

また「都会」の嗜好に寄り添いすぎて
(都会の人が考えている田舎暮らしみたいな)
住んでいる人たちの暮らしを考えていないなぁ・・・
と最近は特に考えるようになりました。

「地域」って言葉は逆にギャップを生み
噛み合わない現実を生みだすような気がしています。
結局、地元に根付かないんですね。

また、「活性化」ってどんな状態を指すのか
なんかよくわかんないです。

地域に元気がない。活気が無い。
確かに後継者不足の問題などもあるけれど
町に住んでいる人たちの暮らしぶりが不幸なのか?
と、いうとそうじゃないんですね。

それこそ僕は活動拠点と違う町に住んでいますが
僕の町に無いいいものや文化があったりする。
つまり全然元気が無いことも無いんですね。

それを無理やり、「地域の魅力」を情報発信して
効果があるのか疑問です。

魅力は発信するモノでは無くて感じてもらうもの。
つまり受け手側が使う言葉であって
情報を発する側が使う言葉では無いと思っています。

魅力を感じてもらう町とはどんな町なのか?
「こんな町が日本にあってよかった」
感じてもらえる「なにか」がある町なのだと思います。

魅力の発信ではなくて
困った時にはこんな役に立つ町。
こんな時につかえる町。

「この町が日本にあってよかった」

その評価をもっとよくしようというモチベーションが湧いてきます。
他人に評価され支持をされると、人は自分の存在に誇りが持てます。
それがやがて自分達が暮らす町が
こんな町であって欲しいという思いにつながっていくと思います。

であるならば、自分の町にある
「この町が日本にあってよかった」
というものを探し磨くことが大切だと思います。

町の何を伝えるべきなのかが変わってくるし
町の伝え方も変わってくると思います。
そうすると発信される情報にも深みが出てきます。

そこから息の長い交流が生まれてくるのだと思います。

そういう関係で捉えるなら、交流相手は
ビジネスでいう、消費者・ターゲットという言葉ではなく
パートナーと言う表現が適しているのかもしれません。

町とパートナーの間をつなぐモノ。

話題性よりも継続性があること。
そして、参加者にとって
事業と誇りやモチベーションがバランス良く両輪するモノ。

そんなつながっていくイベント作りに挑戦していきたいです。

ST014: Figure 5.6
ST014: Figure 5.6 / Rosenfeld Media


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Posted by 図案屋  at 16:00 │Comments(6)そもそも何ですか?

この記事へのコメント
>「地域の魅力」を情報発信して効果があるのか疑問です。

なるほどですね。
この部分だけに注目してしまいましたが、やらないよりはやった方がマシというとらえ方の方がよろしいかと思います。

でないと、佐賀の魅力皆で発信しようという、さがファンブログの存在自体を否定することになってしまいますしね(笑)
Posted by ムラカムムラカム at 2011年10月15日 23:13
***************************

≫ムラカムさま


コメントありがとうございます。

「情報を発信すること」を否定していません。

「無理やり魅力を作り上げ情報発信する事」
に対して、その「効果」に疑問を感じているだけです。

自分が書いた記事が正解とは思っていません。
自分の経験から出ててきた「疑問」です。

だからこそ、他の方はどう考えているのか
問題提起の意味合いで今回の記事をアップしました。

伝えると伝わるの間には大きな「溝」があります。
それをつなぐモノが「情報」だと僕は考えています。

目標に向かって数多く事を起こすことは賛成ですが
仕事としてやる以上は「効果」は常に意識すべきだと思います。
(これはあくまで僕の職務の場合です)

数の積み重ねが、良い効果を生む場合もありますが
「出せばいい」では情報の質が落ちてしまいます。

目指すべきものがはっきりとしていて、
数多くのオプションをこなす。これはいいと思います。

どんな「効果」を望むのか?
初期の問題設定で答えは変わってきます。
その最初部分があやふやなままでは、
効果を生む情報は生まれてこないと思います。

ただ、みんながみんな
そんな気持ちではブログを書いっていらっしゃらないと思います。
自分のことを伝えたくて書かれていらっしゃるかもいれば
商売につなげたい方もいらっしゃると思います。

外に向けての情報発信だけでなく
ブロガーさん同士でのいい地元交流をよく目にします。
そこにも、さがファンの良さがあるしあったかさを感じます。

僕はそこにさがファンの魅力を感じ
ブログを書くにあたって、ここを選びました。

ムラカムさん達が頑張られている
伊万里は「スィーツ」など様々なことに取り組まれていますね。

僕は、みなさんで取り組まれている
「姿勢」や「活動」「情熱」に魅力を感じています。
そして取り組まれている人に魅力を感じています。

「モノ」ではなく「コト」の情報だからこそ魅力を感じます。
今回の記事で伝えたかった、「魅力を感じる」情報です。

僕はブログビギナーですが
最近使って、読んで人が出るメディアだと思っています。
人そのものが情報を媒介するメディアなんだと感じています。

僕もムラカムさんから考える機会を頂きました。
しっかりと噛み砕き、考えを整理し
今後も自分の考えをブログで公開したいと思います。

長文で失礼しました。
Posted by 図案屋図案屋 at 2011年10月16日 02:43
申し訳ございませんお手間を取らせてしまいまして(;´Д`)

私も地域活性化と言って最初からモノに取り組むのは好きではありません。

なので、企画プランナー様が最後におっしゃられた『「モノ」ではなく「コト」の情報』にはすごく共感が持てました。

ありがとうございました^^
Posted by ムラカムムラカム at 2011年10月16日 08:25
某大手コンサルティング会社様のセミナーでいわれたことで、ぼくもその後よく話すことがあります。それは以下でした。

<問い>トレンドとして儲からない業種が二つある。

<答え>印刷業と、地域活性化事業。

思わず苦笑したのはいうまでもありません。

印刷は置いておいて、地域活性化は、<今>を活性化するためにもあり、<将来>活性化してもらうためにもあると思います。

地域の元気のバトンを次世代に渡すことの重要性。

継続して行い続けていくことこそが、地域活性化なのかもしれませんね。
Posted by なみログなみログ at 2011年10月18日 16:21
***************

≫なみログさま

同意見ですね。

持続性・サスティナビリティーが
僕もキーワードだと思います。

そして、持続性の核になるのが
人を育てることに投資をすること。

最近よく思うのですが
良きにしろ悪きにしろ
日本は官僚制度の中で歩んできました。

結局、明治維新後に長州閥の人達が
その基礎をシステム化し現在まで至っています。

とするなら、吉田松陰すげえーーーって
思っています。

僕自身も若い人たちが
学べて活躍できる機会を作る
何らかのお手伝いをやりたい・・・

と考えている1966年生まれのおっちゃんです。
Posted by 図案屋図案屋 at 2011年10月18日 21:28
私は72年生まれです。

もう私たちが活躍するのではなく、早く、下の世代に引き継いでいかないとならないと思っていますし、焦っています。

消費する側から創出する側に回るべきで、昔、何もなかったころは、文化芸術にしろ、食にしろ、消費と創出が表裏で存在していたのですから。
Posted by なみログ at 2011年10月19日 19:09
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