2012年05月02日
宇宙兄弟を読んで自己PRにはベネフィット思考が使えると思う件
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肩書が通用しない世界。
あなたは相手に自分をどうPRしますか?
最近、図案屋ファミリーは宇宙兄弟にはまっています。
簡単に言うと月を目指す難波兄弟の物語で兄の南波六太(なんば むった)くんを中心に進んでいきます。
ストーリーは六太くんの失業から始まります。
先に宇宙飛行士になった弟・日々人くんを上司に中傷され頭突きを食らわし会社を退職。六太くんは就職活動を始めますが、前会社の上司の妨害もあり上手くいきません。
そんな最中、家族の助けを得て宇宙航空研究開発機構・JAXAの宇宙飛行士選考試験にチャレンジする機会を手に入れます。
ここから六太くんの狭き門の宇宙飛行士への挑戦が始まるのですが、とにかく適性試験・面接。適性試験・面接…といった、評価の嵐・プレゼンの嵐が続きます。
普通、自己紹介というと、会社名と働いている内容など職業・仕事を初めに説明します。名刺なんかを出し肩書をさりげなくアピールしながら、仕事を通して社会とつながっている一員であること印象付けます。
会社に所属していることが個人の信用を裏付ける存在であるといっても過言ではありません。銀行から融資を受ける場合は信用を図る指標の一つです。改めて見ると肩書とは結構な影響力を持っています。
JAXAやNASAの宇宙飛行士選考試験ではそうはいきません。選考試験には肩書だらけの人間がわんさかいるわけですから。
ただ、これは六太くんだけに限った問題ではありません。人生には肩書なしでプレゼンをしなければいけない時もあります。
肩書きに頼ることなく自分をプレゼンする時には何が必要なんだろうか?六太くんの挑戦の姿を見ながらそう思い始めました。
■優位性が確立しにくい世界
---------------------------------------------------------------
肩書以外で勝負か・・・はて。
その時、ベネフィットというフレーズが浮かびました。
ベネフィットはマーケティングの世界で使われる言葉です。和訳をすると消費者への便益や恩恵。商品やサービスを享受することで生まれるもの。
安いというお得感であったり、洗剤であれば汚れがよく落ちるといった機能の面など様々です。
もちろんベンダー(提供者)は競合他社より優れたベネフィット提供と躍起になりますが、ある問題に直面します。
世の中が成熟化社会となり商品は競合品に囲まれ類似品との区別がつきにくい。様々な工夫を持って差別化に臨みますが、優位性はあっという間に模倣を受けて今います。
例えば、健康志向のベネフィットを謳う商品が溢れてくれば、それはべフィットの蛸壺化を意味します。これはJAXAやNASAの宇宙飛行士選考試験に集まってきた受験生の集団にも同じことが言えます。
学歴・経歴や肩書のベネフィットにおける優位性はそれほど意味を成さなくない。つまり、学歴・経歴・肩書といった個人の性能・機能のベネフィットはアピールポイントになりえない訳です。
■肩書や経歴の裏に潜むもの
---------------------------------------------------------------
では、選ぶ側は何を根拠に選んでいくのか?宇宙兄弟物語におけるJAXAやNASAの行った手法はこうです。
試験官はまず、受験者をグループにして長時間、密閉空間に閉じ込めます。そして仲間同士が疑心暗鬼を持つようなトラップを仕掛けてその様子を試験官は24時間監視します。
ここで浮かびがってくるのが、リーダーシップを発揮しようとする行為や自分の主張を通そうとする行為。しかしここで試験官の指標は、解答ではなくて問題へのアプローチやプロセス。同時にグループにどういう影響を与えるかという点でした。
肩書や経歴の裏に隠れていたモノが出てくるわけです。
JAXAからNASA行きの切符をかけたシーンでは、先輩宇宙飛行士も面接に参加します。ここまで残った人間は優秀に決まっている。だから後は信用できるかどうか。
彼らの選ぶ基準は「命を預けるに値する人間であるかどうか」という重く、そしてシンプルなものでした。そこはまさに肩書など存在しない世界でした。
■心に訴えかけるベネフィット
---------------------------------------------------------------
べフィットを観念価値・感覚価値・便宜価値・基本価値といった4つの価値観で階層化するという考え方があります。
この考えに当てはめてみると、機能や利便性といった具体的・合理的なベネフィットは下位概念。心に訴えかけていくといった価値・ベネフィットは上位概念。
先程のセンテンスで紹介したシーンなどは上位の観念価値の世界になり、逆に肩書の世界は下位の概念に位置づけされ優位性は低くなります。
優位性を保ちながら、上位概念の世界に上がっていくには訴えかける文脈が明確でメッセージ化されてないといけません。
そのことがきちんとできているのお手本の存在がアップル社のような気がします。この図解を描きながらそう思いました。
以前の記事でも紹介したように、アップル社は理念・ミッションといった上位概念を練り上げ、自分たちが大切にする理念をデザインに反映し、それらに基づいた利便性や機能を追求していきます。
機能を追求してモノづくりを行わずぶれない理念に基づいているからこそメッセージは強力だし優位性を保てるのだと思います。
ここに肩書に頼らないくとも自分を確立するためのヒントがあると思います。あなたは自分の理念や文脈をブラッシュアップできていますか?
■ 最後に・・・
---------------------------------------------------------------
これから就活を控えている学生の皆さんにはこの宇宙兄弟、是非読んで欲しいと思っています。
エントリーされるために六太くんや他の受験者たちの苦悩や劣等感。そして努力。数々のシーンに考えさせられ、また励まされると思います。
当然主人公は選考に勝ち残っていくのですが、選考に漏れた人たちの描写もあります。
中でもロケット開発に携わってきた福田さん。受験生中最年長で開発の職を辞して受験。NASA行きの前に落選するのですが、民間の宇宙関連の会社に就職、その後ロボット開発に関わって行きます。
彼は自分の能力が必要とされる職場にたどり着く訳です。
そのシーンを読んで、アパレル系の友人が「好みの服と似合う服は違う」といったフレーズを思い出しました。古代ギリシャの哲学者・ソクラテスも「汝自身を知れ」約2,500年も前に行ってます。
自分から世の中のことを眺めるだけでなく
世の中から自分を眺めるのも大切なんだ。
そう思う図案屋でした。
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■宇宙兄弟を詳しく知りたい方はコチラ■
・モーニング 『宇宙兄弟』(サイト限定企画漫画等もあり)
・TVアニメ『宇宙兄弟』読売テレビ
・映画『宇宙兄弟』公式サイト
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肩書が通用しない世界。
あなたは相手に自分をどうPRしますか?
最近、図案屋ファミリーは宇宙兄弟にはまっています。
簡単に言うと月を目指す難波兄弟の物語で兄の南波六太(なんば むった)くんを中心に進んでいきます。
ストーリーは六太くんの失業から始まります。
先に宇宙飛行士になった弟・日々人くんを上司に中傷され頭突きを食らわし会社を退職。六太くんは就職活動を始めますが、前会社の上司の妨害もあり上手くいきません。
そんな最中、家族の助けを得て宇宙航空研究開発機構・JAXAの宇宙飛行士選考試験にチャレンジする機会を手に入れます。
ここから六太くんの狭き門の宇宙飛行士への挑戦が始まるのですが、とにかく適性試験・面接。適性試験・面接…といった、評価の嵐・プレゼンの嵐が続きます。
普通、自己紹介というと、会社名と働いている内容など職業・仕事を初めに説明します。名刺なんかを出し肩書をさりげなくアピールしながら、仕事を通して社会とつながっている一員であること印象付けます。
会社に所属していることが個人の信用を裏付ける存在であるといっても過言ではありません。銀行から融資を受ける場合は信用を図る指標の一つです。改めて見ると肩書とは結構な影響力を持っています。
JAXAやNASAの宇宙飛行士選考試験ではそうはいきません。選考試験には肩書だらけの人間がわんさかいるわけですから。
ただ、これは六太くんだけに限った問題ではありません。人生には肩書なしでプレゼンをしなければいけない時もあります。
肩書きに頼ることなく自分をプレゼンする時には何が必要なんだろうか?六太くんの挑戦の姿を見ながらそう思い始めました。
■優位性が確立しにくい世界
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肩書以外で勝負か・・・はて。
その時、ベネフィットというフレーズが浮かびました。
ベネフィットはマーケティングの世界で使われる言葉です。和訳をすると消費者への便益や恩恵。商品やサービスを享受することで生まれるもの。
安いというお得感であったり、洗剤であれば汚れがよく落ちるといった機能の面など様々です。
もちろんベンダー(提供者)は競合他社より優れたベネフィット提供と躍起になりますが、ある問題に直面します。
世の中が成熟化社会となり商品は競合品に囲まれ類似品との区別がつきにくい。様々な工夫を持って差別化に臨みますが、優位性はあっという間に模倣を受けて今います。
例えば、健康志向のベネフィットを謳う商品が溢れてくれば、それはべフィットの蛸壺化を意味します。これはJAXAやNASAの宇宙飛行士選考試験に集まってきた受験生の集団にも同じことが言えます。
学歴・経歴や肩書のベネフィットにおける優位性はそれほど意味を成さなくない。つまり、学歴・経歴・肩書といった個人の性能・機能のベネフィットはアピールポイントになりえない訳です。
■肩書や経歴の裏に潜むもの
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では、選ぶ側は何を根拠に選んでいくのか?宇宙兄弟物語におけるJAXAやNASAの行った手法はこうです。
試験官はまず、受験者をグループにして長時間、密閉空間に閉じ込めます。そして仲間同士が疑心暗鬼を持つようなトラップを仕掛けてその様子を試験官は24時間監視します。
ここで浮かびがってくるのが、リーダーシップを発揮しようとする行為や自分の主張を通そうとする行為。しかしここで試験官の指標は、解答ではなくて問題へのアプローチやプロセス。同時にグループにどういう影響を与えるかという点でした。
肩書や経歴の裏に隠れていたモノが出てくるわけです。
JAXAからNASA行きの切符をかけたシーンでは、先輩宇宙飛行士も面接に参加します。ここまで残った人間は優秀に決まっている。だから後は信用できるかどうか。
彼らの選ぶ基準は「命を預けるに値する人間であるかどうか」という重く、そしてシンプルなものでした。そこはまさに肩書など存在しない世界でした。
■心に訴えかけるベネフィット
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べフィットを観念価値・感覚価値・便宜価値・基本価値といった4つの価値観で階層化するという考え方があります。
この考えに当てはめてみると、機能や利便性といった具体的・合理的なベネフィットは下位概念。心に訴えかけていくといった価値・ベネフィットは上位概念。
先程のセンテンスで紹介したシーンなどは上位の観念価値の世界になり、逆に肩書の世界は下位の概念に位置づけされ優位性は低くなります。
優位性を保ちながら、上位概念の世界に上がっていくには訴えかける文脈が明確でメッセージ化されてないといけません。
そのことがきちんとできているのお手本の存在がアップル社のような気がします。この図解を描きながらそう思いました。
以前の記事でも紹介したように、アップル社は理念・ミッションといった上位概念を練り上げ、自分たちが大切にする理念をデザインに反映し、それらに基づいた利便性や機能を追求していきます。
機能を追求してモノづくりを行わずぶれない理念に基づいているからこそメッセージは強力だし優位性を保てるのだと思います。
ここに肩書に頼らないくとも自分を確立するためのヒントがあると思います。あなたは自分の理念や文脈をブラッシュアップできていますか?
■ 最後に・・・
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これから就活を控えている学生の皆さんにはこの宇宙兄弟、是非読んで欲しいと思っています。
エントリーされるために六太くんや他の受験者たちの苦悩や劣等感。そして努力。数々のシーンに考えさせられ、また励まされると思います。
当然主人公は選考に勝ち残っていくのですが、選考に漏れた人たちの描写もあります。
中でもロケット開発に携わってきた福田さん。受験生中最年長で開発の職を辞して受験。NASA行きの前に落選するのですが、民間の宇宙関連の会社に就職、その後ロボット開発に関わって行きます。
彼は自分の能力が必要とされる職場にたどり着く訳です。
そのシーンを読んで、アパレル系の友人が「好みの服と似合う服は違う」といったフレーズを思い出しました。古代ギリシャの哲学者・ソクラテスも「汝自身を知れ」約2,500年も前に行ってます。
自分から世の中のことを眺めるだけでなく
世の中から自分を眺めるのも大切なんだ。
そう思う図案屋でした。
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・TVアニメ『宇宙兄弟』読売テレビ
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